「2ヶ月前にも一度いらっしゃいましたよね?」
以前、ハサミの研磨をお願いしに浅草を訪れたときのことです。
その時が訪問3回目。
特にお得意様でもなかった自分。
店側のひととも深い関係性もなく、
カルテを見ながら淡々と受付を済ませ、
仕上がりに時間を要するため一旦お店を離れました。
「覚えていないか…」
先ほど3回目と書きましたが、実は4回目。
前回訪れたときは、お店が混みあっていたため、
仕上がりに時間がかかるということで諦めた経緯がありました。
その時は時間にして4〜5分のやり取り。
当然、先方もたくさんの顧客をかかえています。
その中の一人にすぎない自分とのやり取りなど、覚えていなくても当然です。
街をプラプラしながら仕上がりの時間にお店に向かいました。
お会計の時、もう一人いた店員さんが、
「2ヶ月前にも一度いらっしゃいましたよね?」
と声をかけてくださいました。
「えっ!?」
びっくりした自分に、店員さんは続けます。
「その時店が混んでいて、お客様がご来店されたのがお昼過ぎで、確か仕上がりが4時以降で…」
事細かく覚えてくださっていました。
2ヶ月も前のあの短時間で、しかもその店員さんはその時が初めてだったにもかかわらずです。
心をもっていかれてしまいました!
覚えていただけるというのは本当に嬉しいものですよね。
一人一人が特別で、「私はあなたをちゃんと覚えていますよ」という意思が伝わり、ぐっと関係性が縮まる。
こちらもまたお願いしようと思うものです。
私もお客様と関わる以上、
スタイルや時期、どんな状態か、何を好み、
その時何を話したかなど、お客様に関わる情報を、なるべくカルテに書き記すようにしています。
しかし、正直忘れてしまうことがあります。
もしかしたらその店員さんも、メモ帳のようなものに書き記していたのかもしれません。
私自身、緊張しいですし、コミュニケーションが得意なで方ではなく、お客様にだいぶ助けていただいています。
しかし、プロとしてこちらから相手に関心を持ち、相手を知るという、人との関わり方について、何より大事なことです。
長年お付き合いのある方だけではなく、
ご新規や代わりを務める場合でも、
相手に関心を持ち、相手の立場で心を通わせることの重要性について、改めて氣づかされました。
日日是好日。
今日もご一読くださり、有難うございました。